早稲田大学での今年の「起業」に関する講義を終えた。
「素晴らしい」の一言だった。
少人数だけど、全員がネイティブ・スピーカーレベルで英語を話せるクラス。そこで今回、講義の全スライドを英語に切り替え、男女ペアで「投資家役」と「スタートアップ（起業する人）役」に分かれてもらい、英語で「エレベータピッチ」を26.45秒間で行う演習をした。
（早稲田のエレベータは、ドアが閉じてから開くまで、26.45秒）
エレベータピッチは、20〜30秒ほどで、事業の要点を投資家に伝える、起業する人にはお馴染みのプレゼンテーション技術だ。
スタートアップだけでなく、大企業でも boss に企画提案する時など、似た場面で役立つ。
僕も、サンフランシスコでは、エレベータピッチをよくやった。掲示板サイトで、近日開催される「エンジェル投資家」と「スタートアップ」のネットワーキングパーティ情報を見つけては、その会場に足を運んだ。
スタートアップにとって、投資家と話すチャンスをつかむことは、大きな転機になる。そこで、お目当ての投資家が、パーティから帰る際にエレベータに乗る瞬間、一緒に乗り込み、その場で話しかけ 20秒〜30秒ほどのプレゼンテーション（ピッチ）をする。これが「エレベータピッチ」の語源だ。
正直、エレベータがない会場は困る。「なぜ、エレベータのない会場を選んだ！」と、空気を読めない主催者を責めたい気持ちにもなる。
だけど、僕はめげない。パーティ会場で、ワイングラスのおかわりをサーブするバーカウンターの前に陣取り、お目当ての投資家が次のグラスを注文に来る瞬間を狙う、「おかわり・ピッチ」を編み出した。
そして、実際に数人のエンジェル投資家を30秒で口説き、きちんと次の10分間のカフェミーティングのアポを取り、その後の投資の承諾まで進めた。
これは日本語でも難しい。だけど、今回の学生たちは全員、素晴らしかった。
1. 投資家に挨拶をする。
2. 自分がスタートアップであることを名乗る。
3. 自分の事業が解決する「Problem」を伝える。
4. 自分の「Solution」を伝える。
5. 投資家に次回のアポを取る。
というところまで、26.45秒以内で、最初の１回で完璧にピッチした。
正直、感動した。
そこで、僕も大人として、教えられることは何でも伝えようと思い、投資家に対しては「気分のいいとき」に話しかけるのは重要だということも伝えた。成功確率を少しでも上げるには、そういう気遣いが大切だ。
それはまるで、女性を気遣う男性にもあてはまる。そこで、異性をデートに誘うときは、相手は「どこの街が好きか」ということを考えて、誘わないといけない、という話も熱くしてみた。
学生たちも、僕の熱意に圧倒されていたようだった。
結果、その教室の中では、女性を「池袋デート」に誘って、「池袋はちょっと。。。」と、断られた経験のある人は、40代の男性１人しかいないことが分かった。
学生は全員、気遣いもできることが分かり、日本の未来は明るいと思った。
。。。
エキサイティングな時間で、本当によかった。
皆さん、また、会うときまで！