最後のメロン

ばあちゃん、父さん、母さんへ

昨日、メロン届いたばい。これが最後と聞いて、ああ、ついにそんな日がやってきたんやねと思って、目頭ば熱くしとるところ。大切に食べるけん、病気ばせんごと、みんな元気にがんばってはいよ!

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十一月に入り、寒くなってきましたね。
元気にしていますか。
古保山のメロン送ります。これが最後。
来年からは作るのをやめるそうです。
一週間前後が食べる目安だそうです。
風邪をひかないように、元気にすごしてください。

父母より

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昨夜、メロンを受け取った。こんな時期に熊本から届くのは、初めてだったから、すぐに何かあったんだと思った。

祖母の実家はメロン農家。熊本の宇城市松橋町の古保山。僕は小さい頃からずっと、「こーやまのメロン」が大好きで、いつもたくさん送ってもらっていた。
夏休みに、何十人も親戚が集まる祖母の実家で、メロンの大きさを選別する機械を見せてもらうことや、メロンを運ぶトラックに乗せてもらうのがとても楽しかった。

18 のとき、東京に出てきて、メロンが高いものだと理解した。お盆いっぱいに乗っかって出てくるメロンを食べていたのは、どれだけのぜいたくをさせてもらっていたのかと、反省した。台風のときにメロンがほとんどダメになって、肩をおとしていた、こーやまのおじさん、おばさんを思い出した。

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おじさん、おばさん、この最後の2つ、
ずっと食べずに眺めておきたいけど、大事に頂きます。
本当にありがとうございました。
お疲れさまでした。

そして、小さい頃、養子に入るの断って、ごめんなさい。

半分冗談だったかと思いつつ、何かメロンが続かないのは自分のせいじゃないかって、ときどき思うことがあるので、今、謝っときます。