ICUでの講義

昨年に続き、国際基督教大学(ICU)で、講義の機会を頂いた。

学生の皆さんに、とても熱気があり、講義中、起業につながる日常の課題を1人ひとり発表して頂いた内容が、本当に素晴らしいものばかりだった。

リベラル・アーツ、キリスト教、美しい緑に囲まれた広大なキャンパス、そして、国際的で上品な雰囲気がICUの特徴だと感じている。

ただ、キャンパス内で気になるのは、2つの小高い芝生の丘だ。「アホ山バカ山」と呼ばれている。昭和のようなネーミングが不思議で、現代風に Great Hill, Awesome Hill などの方がいいと、個人的には思う。

講義では、ICU の皆さんとのコミュニケーションをスムーズに行うため、事前に早稲田の学生の女性たちにも意見を聞き、資料を準備した。最初は、アニメの話題を多く入れようと思ったけれど、

“今なら、アニメより都知事です!”

ということだった。そして、普段の授業に合わせ英語の資料にした。

結果、講義中、僕がトップリーダーについて熱く語るたびに、2,3人の学生をほほ笑ませることができたし、教室内に、しばらく静かな時間を作ることができた。

講義後、皆さんからの熱いフィードバックを頂けたのは、とても良かった。

帰り道、キャンパス内の2つの丘の前を歩いていると、担当の太田先生から、

“そういえば、学生時代、お付き合いされていた方、ICUでしたよね?”

と指摘された。そう、実は懐かしいキャンパスだ。だけど、自分はもう世界で戦っている大人で、学生時代の思い出に浸っている場合ではない。

そう思いながら、せつなに、20年程前の、

“私、マンションを持っている人じゃないと、結婚はちょっと。。。”

と最後に言われた言葉を、鮮明に思い出した。そして、思わず、沈む夕日に「バカヤロ!」と心の中で叫んだ。

なぜ、この丘に昭和の名前が残っているのか、分かった気がした。

。。。

太田先生、学生の皆さん、ありがとうございました!
皆さんの発表内容は、大変、素晴らしかったです。

クレイジーなアイディアを形にして、ぜひ、世界を変えていってください。

また、お会いできる日を楽しみにしています!

慶応医学部と合コン

“社長、わたし、合コンに行きます!相手は慶応医学部です!”

先日、おもむろに、弊社スタッフの大学生の女性から宣言された。

“お、おぅ”

そう答えたが、気が付くと、社内の他の学生たちがザワザワしていた。どうしたのかと聞くと、

“合コンに行く人が珍しいんです。本当に行く人を初めて見ました!”

と言う。実際、数日前、20代の男性社長に聞いたところ、合コンに初めて行ったのは、大学卒業間近の時だったという。しかも、「街コン」という設定されたものに足を運んだという。

これではいけない。

英国がEUを離脱するほど、変化の激しい時代だ。
受け身ではなにも生まれない。
自ら動き、時代の変化に対応することの大切さを知って欲しい。

僕らが大学生の頃は、都内すべての女子学生寮の電話番号を先輩にもらい、一件ずつ電話して、寮長の女性に会いにいった。エントランスで待つこと1時間。女性がメイクと着替えに長い時間がかかるのを、初めて知った。やっと会えた寮長さんに、

“六本木でパーティを開くので、来てください!”

と伝え、早稲田だけでなく、慶応ボーイも呼んで、僕らがいた男子寮主催で、200人規模のパーティを開いていた。女子の人数が足りない時は、ドトールで声を掛けていたものだ。

これくらいのことをしても、なかなか彼女なんてできない。せっかく、酒を飲みながら、話が盛り上がっていた美女を、かっこいい服を着た他の男に奪われ、収穫もないまま、翌朝まで公園で時間を潰したことも多い。それから、マルイに服を買いに行ったけれど、ポール・スミスを着ても、効果が得られないことに気がついた。

そうやって、色々な試行錯誤をしないと恋人なんてできない。
そんな話をしたところ、男子学生から

“アドバイスをください!”

と言われたので、仕方なく、「勝負は準備が大切だ」と言うことを伝えた。宮本武蔵の「五輪書」にも書かれているとおり、準備が勝負を左右する。

“渋谷のハチ公前で、もう、勝負はついてる。時間通りに女性たちに集合してもらうことが大切なんだ。ドタキャンや遅刻が発生すると、カップル誕生の可能性が下がる。そうならないように、幹事は何度も気を配り、きちんと集合してもらうこと。まずはそこからだ!”

男子たちは、まるで宝物を手に入れたかのような眼差しで、僕の言葉を無言で噛みしめていた。

僕も自分の経験を、若者に役立てられたら、とても嬉しい。
失敗してもいい。何度でもフラれながら、成長して欲しいと思う。

気分が良かったので、この話を、その夜の飲みの場で、社会人の若い女性に、同じように伝えた。1人でも多くの方に、準備の大切さを伝えられたら、僕としては幸いだ。

その女性も、僕のことをじっと見つめ、素晴らしい言葉の1つひとつを噛みしめているかのように、うなずいていた。

それから、少し微笑んで、

“今時、ハチ公前に集合する合コンなんてありません。チャットで連絡取って、店に直接集合します。ちょっと古いと思います”

と、ささやいた。

時代の変化に対応することの大切さを知った。

日本語と英語

“ワンチャン”、”ガチで”、”ヤバい”

20代のエンジニアたちの日本語は短い。

“特に「ヤバい」は、良い時も悪い時も使えて便利です!”

とのことだ。だけど、時には大人には通じないから注意だ。
先日、新宿駅で、アパレル系の美しい女性が、

“ねぇ、ワンチャンって何?”

と後輩の女性たちに聞いて、

“特に意味はありません!”

という答えに、とても困惑していた場面に遭遇した。ちゃんと「あり得なさそうな1回のチャンス」だと教えて欲しかった。

こんな日本語を使う学生も、英語に対しては貪欲なので、週に数回の米国企業とのオンラインミーティングには、一緒に参加してもらっている。
シリコンバレーやハワイのチームと、プロダクトを検討できる貴重な機会だ。

誰もが、グローバルで仕事ができる時代なのだから、プログラミング言語だけでなく、英語もがんばって欲しい。

実際、エンジニアは技術のことだけでは済まない。
ユーザが使いやすくするための、デザインにも、気を遣わないといけない。

先日、米国の人々にプレゼンする際に、20代エンジニアの男性が

「女性の写真が並んでいる画面」

を出すべきところで、

「USBケーブルが並んでいる写真」

を出してしまった。

時折、僕は注意する。

“サービスを使う人には「見てくれ」が大事なんだ!”

エンジニアは真剣な眼差しでうなづく。
だけど、なかなか簡単にはいくものではない。

そして、あるとき、彼は「質問があります」と言った。
「いいよ」と言うと、

“いつも使われてる「見てくれ」って言葉は、どういう意味ですか?”

と聞いてきた。

。。。僕は、日本の未来について、考えた。20代前半の若者が、僕が当たり前だと思っている日本語を、一度も使ったことがない事実に、直面している。

大人の責任だ。僕らが「MK5」とか「あげぽよ」とか「チョベリバ」とか使ってきたから、こんな日本になったのだろう。

ヤレヤレと思いながら、僕は伝えることにした。

“「見てくれ」というのは「見た目」のこと。人に伝えるときは「見た目」も大切ってことだよ”

大人としての一つの責任を果たし、僕は、すがすがしい気持ちになった。彼も美しい日本語を学び、次の世代に伝えていくに違いない。そう思っていると、彼は、すかさず言った。

“分かりました。僕らが普段「ビジュアル」って言っているやつですね!”

嬉しそうな彼の笑顔を見ながら、英語を学ばないといけないのは、誰なのか、分かった気がした。

課金

湘南の海。

ビキニの女性たちが、日焼けした男性たちの背中にギュッとしがみついて、楽しそうに水上バイクで走っていく姿を見ながら、

“社長は、海で女子からキャーキャー言われると思います!”

という大学生の女性たちの言葉を信じ、この2ヶ月で体重を8キロ落とし、来るべき時のために準備をしてきた自分を恥じた。

ルアーモジュール「水上バイク」に課金するのが正解だった。

夏の始まりだ。

サンドイッチ

今までで一番ボリュームがあるのに上品なサンドイッチ。
矛盾してるように聞こえるかもしれないけど、そう感じる

なかはらさんと、鳥しきさんの共同メンチカツチキンサンド。
感激でした。余韻が素晴らしい!

腹がいっぱいなのに、また、食べたい。
矛盾だらけの感動がある。

僕も、たった1人に愛されたいのに、みんなにキャーキャー言われたい。そんな矛盾を抱えることがある。

新宿高島屋11階、エレベーターを降りて、すぐに肉の香りのする方に歩くと見つかります。19日まで。
箱の中身は、是非、行って開けて楽しんで見てください!

なかはらさん、ありがとうございました!

5文字以内で伝える大切さ

早朝5:30。新宿アルタ横のアニメイト前に、女子の長蛇の列ができていた。

“これはただ事ではないな”

長年の経験から、僕にはすぐに分かった。

普通なら「笑っていいとも」収録後のジャニーズメンバーの「出待ち女子」だと推理し、そっとしておくのが紳士の振る舞いだろう。

しかし、別ルートで「笑っていいともは収録終了している」という情報をつかんでいたため、事態を正確に判断できた。

女子向けサービスを提供する僕らにとって、見逃せない状況で、すかさず、列最後尾の「原宿ヘアサロン系」の二人組の女性たちに尋ねた。

“こちらは何の列ですか?”
“ストラップ”
”何のストラップですか?”
”アプリの”

やれやれだ。以前も早朝の新宿で「エグザイルのライブチケットに並ぶ女子たち」に出くわしたときに書いた通り、今の女子たちはメッセージングアプリのように「5文字以内」で会話する。

もっと長い言葉で話して欲しい。意思疎通の課題は、世代を超えた「1億総活躍社会」にも支障をきたすかもしれない。

けれど、これが現実だ。

「何の列ですか?」と尋ねて「チケット」「ライブ」「エグザイル」と3回の質疑応答で理解しないといけない。

オンラインチャットでも、「どちらにお住まいですか?」ではなく「どこすみ?」だし、「LJK」と聞いて「高校3年生の女子」を意味することが分からないようでは、「ラスト女子高校生」たちに相手にされかねない時代だ。

そこで、トレンドを把握している僕は、短めに尋ねてみた

“何のアプリ?”
“…笑”

一瞬あれ?と思ったけれど、「6文字だった」と気づくのが遅かった。2人は笑っているだけで、何も答えてくれなくなった。

「5文字より多いの無理」と、以前、LJKに言われた言葉が重くのしかかる。
彼女たちには、5文字以内で話さないと本当に無理なのかもしれない。

しかたなく、原宿ヘアサロン系の2人に軽く礼を伝え、別のところにいた「渋谷デザイナー系」の女性にリトライしてみた。

“なんの列?”

彼女は僕の方をチラッとみて、「この人分かってる!5文字以内!」というような安堵の表情を浮かべた。そして、笑顔になり教えてくれた。

”※△□◯※の、※△□◯◯の、※△□ラバーストラップ

最後の「ラバーストラップ」しか聞き取れなかったけれど、それでも、僕は笑顔で分かったフリをして、彼女に礼を言って立ち去った。

少し離れた場所まで移動し、屈辱感に打ちひしがれながら

“ラバーストラップ 新宿 アニメイト”

とスマホでググった。彼女は、

“あんさんぶるスターズアプリの、UNDEADハロウィンバージョンの、ユニットラバーストラップ”

と言っていた。

明け方の空に浮かぶ三日月を眺めながら、「5文字より多いの無理」と言ったLJKの言葉は「誰にとって無理」なのか、分かった気がした。

ターゲティング広告

仕事のため、夜遅くの歌舞伎町にいた。
しかし、僕のような男性が一人で歩いていると、たくさんの客引きが寄ってきて、

“シャチョー!カワイイ子ダブルクリック!”

などと言ってくる。

“おい、どうして、僕が IT 経営者だと分かるんだ!?”

と、一瞬驚くけれど、最近は、歌舞伎町の AI も、きちんと歩行者の素性を読み取り、ターゲティング広告してるから注意が必要だ。

AdSense なら、確かにダブルクリックしている。まさにアドテック。

一方で、歌舞伎町では、警察の放送がいつも流れていて、みんなに注意喚起している。

“歩行者の皆さん、最近、カワイイ子がいる、と客引きについていったのに、実際には違ったという被害が出ています…”

この放送を聞くと、僕は思わず「それはひどい!」と言ってしまう。色々と過去を思い出して辛い。

警察の AI の方が、遊び心をへし折るのが上手だ。

自己管理の大切さ

2011年から、ずっと、自分の健康状態を記録していて、この約6年間で僕は 8回出社できない日があった。

その理由が、すべて「インフルエンザ」だった。
予防接種をしていたのに、かかるのは、恥ずかしい。

寿司屋さんをはじめ、自分の名前で商売している一流の方々は、インフルエンザにも掛からずに、休まず仕事をしている人が大半だ。

それなのに、予防接種をしていて、インフルエンザになるのは、自分の健康管理の甘さが露呈されたことになる。

最高のパフォーマンスが出せるように、自分を管理して、一流の仕事ができるようになりたいものだ。

ちなみに、同じ業界の経営者に 10年間、まったく病欠しない人がいて、その人が「早目のパブロンでは間に合わない」と言っていたので、先日、見習って、風邪を疑ったタイミングで、薬局に駆け込んだ。

清楚感あふれる薬剤師さんに対し、僕は堂々と

“早すぎるパブロンをください!”

と伝えてみた。勢いが大切だ。

すると、後ろで結った長い黒髪と白衣が似合う彼女は、その勢いを受け止めながら、かみしめるように僕の症状を確かめ、落ち着いた笑顔で、教えてくれた。

“その症状は花粉症です。パブロンは意味がありません”

新宿で、アレルギー用の薬を手に握りしめながら、僕は、一流への道のりの険しさを感じた。

世界を変える

“私とお散歩しませんか?パソコンのこと教えてください”

秋葉原で、よく女性に声を掛けられる。電気店を一緒にめぐるサービスだ。セーラー服姿が多い。話題の「JKお散歩」というサービスかもしれない。

だけど、実力で君のハートをつかめないなら、生きるのが辛い。もっと、生きる辛さを理解してほしかった。

丁重に断って、立ち去ろうとする僕に、彼女は言った。

“萌えビンタもできます”

破壊力のある言葉だった。高ぶる気持ちを抑えつつ、それがどういうものか尋ねてみた。

1回1,000円で彼女が僕をビンタしてくれるらしい。オプション料金でメイド服にも着替えてくれる。日本のおもてなしだ。

分かる。だけど、経営者たちが「世界を変える」と連呼しながら、しのぎを削っているときに、女性にビンタされて、僕だけ世界観を変えている場合ではない。

“お金なんか払わなくても、色々な女性によくビンタされてるからいいよ!”

後ろ髪を引かれる思いで立ち去り、秋葉原駅から JR に乗った。カッコつけ過ぎた。本当はビンタじゃなく、つねられる方が多い。

いずれにしても、いかに女性に声を掛けてもらえるか、再確認できただけでも良かった。

すがすがしい気分で、新宿駅に近づいてきたとき、吊り革につかまって立っていた僕の目の前の席に、2人の女子大生が座ってきて、友人について会話を始めた。

“◯◯ってさ、自分がカワイイって勘違いしてない?”

“秋葉原にいる男の人みたいだよね。自分を見ろって感じよね”

目の前の僕は、黙って iPhone の電源を切り、画面に写る自分を見た。

生きる辛さを理解した。

すれ違った女子高生たち

歌舞伎町前の横断歩道で、女子高校生2人組とすれ違った

その直後、後ろの方で声がした。

“今の人、本当イケメンだったよ!戻って見てきなよー!

僕は、ゆっくりめに歩いた。

2人は満面の笑みを浮かべて、僕を通りすぎ、前を歩く男に向かって走っていった。

秋を感じた。